京都の中でも桂離宮と双璧をなすといわれる美しい雪見灯篭のある、御寺泉涌寺「御座所庭園」(みてら せんにゅうじ ござしょていえん)。東山の木々に包まれた美しい庭園をご紹介します。

泉涌寺1


泉涌寺の沿革

泉涌寺沿革は、天長年間、弘法大師が東山三十六峯の一嶺、月輪山の麓に草庵を結び、法輪寺と名付けられたことに始まります。その後、仙遊寺と改名されました。そして、建保6年(1218年)に、月輪大師・俊芿(がちりんだいし・しゅんじょう)が宇都宮信房からこの聖地の寄進を受け、嘉禄2年(1226年)に主要伽藍の完成をさせました。その際に一角から清水が涌き出たことにより泉涌寺と改められました。

仁治3年(1242)正月、四条天皇崩御の際は、当山で御葬儀が営まれ、山稜がこの泉涌寺に造営されました。その後、南北朝~安土桃山時代の諸天皇、続いて江戸時代に後陽成天皇から孝明天皇に至る歴代天皇・皇后の御葬儀もこの泉涌寺で執り行われ、山稜が境内に設けられて「月輪陵(つきのわのみさぎ)」と名づけられました。こうして泉涌寺は皇室の御香華院(ごこうげいん)として「御寺(みてら)」と呼ばれるようになっています。

2009年初秋の「そうだ京都、行こう」のポスターにも使われております。

泉涌寺総門の様子

南北に走る東大路通りにあるバス停から東山を上るように参道を進むと、まずは総門があります。まず、その総門の様子からご紹介します。

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泉涌寺境内の様子

総門を抜けると参道両側をはじめ山内一円には塔頭寺院が建ちならびます。奥まった境内には大門、仏殿、舎利殿を配した中心伽藍と天智天皇、光仁天皇そして桓武天皇以降の天皇・皇族方の御尊牌をお祀りする霊明殿と御座所、庫裡などの建物が甍を連ねている。大門を抜けた先にある境内は、三方を東山の丘陵で囲まれています。通常、寺院は平地や山状に建てられることが多いのでとても珍しい事です。参道を下って参拝する伽藍は、日本全国でも延暦寺とこの泉涌寺だけです。東山の木々に囲まれた境内は別世界に来たかのようです。

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雪見灯篭の美しい御座所庭園

御座所庭園は御座所の東南から御殿の南側にかけての小さな庭園です。明治に御殿が再建された時に作庭されました。鶴島と亀島の間を白砂の大海が広がります。緩やかな勾配の築山に、控え目な石組とサツキなどの刈り込み、曲線の汀の池泉がある中に桂離宮と双璧と称される美しい雪見灯篭があり、とても可愛らしい趣きのある庭園となっております。雪見灯篭は、仙洞御所より移されたもので「泉涌寺型雪見灯篭」といわれております。また、片隅にある蹲(つくばい)は、菊の形をしております。

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雪見灯篭の美しい泉涌寺御座所庭園。東山の木々に包まれた別世界で、日常を忘れてのんびり過ごすのはいかがでしょうか?

泉涌寺へのアクセス

〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町27



  • 電車を利用する場合
    JR奈良線・京阪本線 東福寺駅から徒歩10分

  • バスを利用する場合
    四条河原町から市バス(207)「泉涌寺道」下車徒歩7分
    京都駅から市バス(208)「泉涌寺道」下車徒歩7分
    東寺駅から、市バス(202、207、208)にて泉涌寺道下車、徒歩7分
    ※市バス202、207、208は循環バスですので東向きに運行しているバスにご乗車下さい。


拝観料 : 伽藍拝観 500円(中学生以下は小人300円)
       特別拝観 300円(小学生以下は同伴者がいる場合は無料)
拝観時間 : 9:00a.m.~16:30p.m.
TEL : 075-561-1551
公式サイト : http://www.mitera.org